培養室

  

培養室は、皆様の大切な卵・精子・受精卵をお預かりするとても重要な場所であり、クリニックの心臓部です。

本来、女性の体内で起こる「卵と精子の受精」や「受精卵の発育」を最適な環境で行うために、室内の光、清浄度、温度、湿度を厳しく管理しています。室内の光は全てLEDを使用し、紫外線によるダメージを防いでいます。清浄度は受精卵にとって極めて重要であるため、培養室内の全エアコンにHEPAフィルターを完備し、常に清浄度の高い空気が循環する環境を整えています。

受精卵の発育に欠かせない保育器であるインキュベーターは、患者様お一人に1スペースを確保するために十分な台数を揃えています。インキュベーターの温度、酸素や二酸化炭素の管理は常に24時間監視できるシステムになっており、安定した最適な培養環境を維持しています。

患者様それぞれに合わせた治療を行うため、設備面・技術面ともに様々な治療に対応できる体制を整えています。

安全性

全ての作業工程において培養士2名でのダブルチェックに加え、最新のQRコードによる検体識別機能を用いたトリプルチェック体制を導入し、非常に安全な培養環境を提供しています。

非常用の自家発電装置を設置し、可能な限り皆様の卵や受精卵を守るため、万全を期しています。

研究

培養室での胚培養士が行った受精卵に関する作業はシステムにて管理し、最新のデータをもとに最適な治療方針が選択できるようにしています。関連学会にも積極的に参加、発表を行い、最新の知識や治療法を取り入れ、現状に満足せずより高い妊娠率を目指しています。

現在一般的に行われている精子凍結方法は融解後の生存率や運動性という面で改良の余地があるものでした。私たちは広島大学と共同研究を行い、より精子にとってダメージの少ない凍結液および凍結方法を開発しました。当クリニックではこの新規精子凍結法により、より生存性の高い精子凍結技術をご提供しています。

2011年特許取得「人凍結精子用希釈液、人凍結精子の希釈方法、および、人の体外受精用精液または人工授精用精液の調整方法」

培養室長からメッセージ

私たちは、『安全な生殖医療』『より良い環境と高い培養技術』を常にご提供することが責務であると考えています。設備面の充実とともに、胚の培養に携わる培養士の教育にも非常に厳しいカリキュラムを設けています。全ての作業工程において項目ごとに審査を行い、基準を満たさなければ治療に携わることはできません。

皆様からお預かりしている大切な卵・精子・受精卵が本来持っている力を最大限に生かせるよう、培養環境や技術の向上に努めています。体外受精の際には、『わかりやすい言葉で説明し、ご納得の上治療をしていただくこと』を目標に、胚培養士が皆様に直接説明を行う機会を設けています。

皆様に寄り添い、安心して治療を受けていただけるよう今後も努力いたします。