[内分泌・排卵]ホルモン採血検査

ホルモン採血検査

ここで言うホルモン検査とは、視床下部 ―脳下垂体―卵巣で作られるホルモンのことです。
これらのホルモンは月経周期の中で働く時期が異なります。
したがって、これらのホルモンを測定する時期はそれぞれ違います。
下に、測定に適した時期を示しました。

脳下垂体から出るホルモン

FSH(卵胞刺激ホルモン)

卵胞期(月経に引き続き、排卵までの期間を言います。)に脳下垂体から分泌されて、卵巣に働きかけて卵胞を大きく育てるためのホルモンです。
下記に示したエストラジオールが血液に入り脳に伝わり、脳が関知することによって、下垂体でのFSHの分泌は調整されています。
その他、卵巣でつくられるインヒビン、アクチビンなどもFSHの分泌を調整しています。
更年期になり、卵巣の働きが鈍ってくるとエストラジオールを作る能力が衰えてきます。
脳はそれを関知してFSHの分泌を盛んに行います。
従って更年期になると血中FSH濃度は上昇します。
これは更年期症状を引き起こす原因の一つと言われています。
また、月経開始3~5日目の血中FSH濃度はその周期の卵巣の働き(卵胞が順調に育って排卵する能力)や卵巣の予備能力を評価する指標の一つとなります。
月経中のFSHの基準値は9mIU/ml以下です。
10以上では卵巣の働きが鈍ってきた可能性があります。
より正確に卵巣の予備能を知るためにアンチ・ミューラリアンホルモンを測定することをお勧めします。

LH(黄体化ホルモン)

排卵の24~36時間前からパルス状(LHサージ)に出てきます。
これは脳から出される排卵の指令と考えればよいでしょう。
LHサージが始まってから36~40時間で排卵すると言われています。
また、LHサージのピークからは24時間で排卵になります。
月経中に採血してLHの基礎値を調べます。
基礎値が高い方は多嚢胞(のうほう)性卵巣が疑われます。
また、排卵時期を知るために排卵が近づいたらLHサージが起こっていないかを調べます。
結果が直ぐにわかる尿の試験紙(キット)を使います。
月経中はFSHの方がLHより高いのが正常ですが、月経中の採血でLHの値がFSHの値より高かったり、LHが10mIU/ml以上ある方は「多嚢胞性卵巣症候群」と言って、排卵障害の原因となっていることがあります。

PRL(プロラクチン)

プロラクチンは乳汁分泌に重要な下垂体ホルモンです。
産後に授乳をしている婦人では月経が来ないことからも分かりますように、高プロラクチン血症では排卵障害や無排卵となります。
また、排卵をしても黄体機能が障害されることもあります。
逆にプロラクチン濃度が低くなると卵巣でのホルモン分泌にも有害な影響を与えることが示されています。
血液中のプロラクチンは卵胞期(月経に引き続き、排卵までの期間を言います。)ではエストラジオールの上昇と一致して上昇します。
プロラクチンは単に乳汁分泌のホルモンではなく、細胞の増殖や機能に必須の因子とも考えられています。
局所的にはヒト卵胞内でも分泌され卵胞発育や卵の成熟を促進すると考えられています。
以上を考えるとプロラクチンの血液中濃度は高すぎても低すぎても良くないことが分かります。
当院でのプロラクチンの基準値は30ng/ml以下です。
高プロラクチン血症のある方にはプロラクチンを下げるお薬を内服していただきます。

TSH(甲状腺刺激ホルモン)

甲状腺機能の異常には機能亢進症と機能低下症があります。
特に低下症では不妊症や流産の原因となります。
甲状腺の機能のスクリーニングとしてTSHを測定します。
この検査で異常があれば更に詳しい検査を行います。

卵巣で作られる代表的ホルモン

卵胞ホルモン(エストラジオール;E2)

いわゆる女性ホルモンの代表です。
卵胞で作られます。
子宮内膜に働いて子宮内膜を増殖させて(増殖期内膜と言います。)受精卵を受け入れる(着床)状態をつくります。
血液に入ったE2は脳を巡って、FSH,LHの分泌を調整します。
また、血液中のE2濃度は卵胞(卵)成熟の指標になります。
排卵準備が調った卵胞が1つにつき約200pg/ml血液の濃度として反映されます。
2つの卵胞に排卵準備が整えばその倍の400pg/mlとなります。
月経中のE2濃度は20-80pg/ml です。
それより低い場合は卵巣の機能が弱くなっている可能性があります。
高い場合は前の周期の卵胞が残っている可能性があり、今周期の正常な卵胞の発育の妨げになることがあります。

黄体ホルモン(プロゲステロン;P4)

排卵した卵胞は黄体化と言う変化を起こして黄体になりP4を作るようになります。
従って、P4は排卵後から作られるようになります。
P4は名前の如く黄体期に重要な働きをします。
エストラジオールによって増殖した子宮内膜を更に変化させて、分泌期の内膜にします。
これによって初めて子宮内膜は胚を受け入れられる(着床)ようになります。
高温相中期にP4の血中濃度を測ることがありますが、これは黄体機能の評価の一つとして重要な検査です。
P4値が10ng/ml以上が正常で、それ以下ですと黄体機能不全となります。

テストステロン(T)

いわゆる男性ホルモンですが、女性では卵巣で作られます。
値が高いと卵巣の皮膜が厚くなり排卵に支障をきたすことがあります。
40ng/ml以上の方は、LHのところで述べた「多嚢胞性卵巣症候群」の可能性があります。

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